石垣の塩 東郷得秀さん その2

石垣島で11年ぶりに再会です!

お互いに頭やお髭に白いモノが目立って

こじわも増えてるけど、会えばすぐわかるもんですね。

東郷さんは相変わらず、ヨレッとしたポロシャツで

にこやかで寛いだ感じの雰囲気なのに、

話すとキレッキレのビジネスマン。

あ〜やっぱり厳しい人やぁ(笑)と

変わらない事が、なんだか嬉しい。

グレーヘアがとても似合う石垣島のムッシュになられてました。

東郷さんは石垣の塩のことを沢山話してくれました。

 

 

石垣の塩の歴史

石垣島で塩作りが始まったのは文献では1717年だそうです。

場所は東郷さんが今塩作りに導かれて、営んでいるこの場所。

ここは八重山諸島の塩作り発祥の地だそうです。

東郷さんがこの地で塩作りを初めてからわかった事だそうです。

この地で塩を作りたくなる様に、まるで誰かなのか大自然なのかエネルギーなのかわからないけど

時空を超えて仕組まれているみたいです。

それを裏付ける様なお話を聞きましたよ↓

この岩、満月と新月の時だけ姿を表すそうです。

 

沖縄県1高い山、於茂登岳(おもとだけ)の山頂と

この満月新月の岩と夕日が沈む位置を結ぶと、

石垣の塩を作る場所を指し示しているそうです。

ユタの方に”ここは大事な所だから、人をあまり入れずに守りなさい”と言われたそうです。

古来氣の良い所はあって、きっとここもそういう場なんでしょうね。

実際に、2005年ラムサール条約で名蔵アンパルが

国際的に重要な湿地とそこに生息・生育する動植物の保全と賢明な利用を進める場として選ばれました。

名蔵アンパルは石垣の塩を作る場所のすぐ隣です。

名蔵アンパルの湿地帯を抜けて、大量のミネラルを含んだ水が名蔵湾に注ぎ込み

その海水を取水しているのです。

 

 

東郷さん達の塩作り

石垣の塩についてご紹介します。

石垣島には工場がありません。

なので工業排水がないそうです。

石垣の塩は塩作りをするこの場所から

沖合1,5km、水深18mのところまで東郷さん達でパイプを伸ばして

そこで海水を取水して作ります。

原料は100%名蔵湾の海水のみです。

塩は海水の状態を顕著に表します。

だから東郷さん達は付近の耕作放棄地を買取り、

無農薬で野菜を作ったり、

周辺の森を守る為に、

11年前に会った時も言われてましたが、ずっと植樹を続けているそうです。

自分の仕事は、この環境を次世代に繋げる事、と断言する東郷さん。

導かれた場所で自然と対峙して暮らしながら

次世代に思いを馳せて、真剣に行動に移している様子が

人として最高の営みに思えてきます。

羨ましいほど。

 

 

東郷さんのワクワク

何をしている時が一番楽しい?

と聞くと

パイプのメンテナンスで海水を汲みあげるポイントにダイビングする時

だそうです。

それも仕事か〜い!と突っ込みたくなりました。

南国の人って勤労なの?

実は3,4年前名蔵湾のサンゴはほぼ死滅してしまったそうです。

そして3年経った今戻りつつあるそうです。

海水の元気や生命の豊かさを目で見て感じる時楽しくてしょうがない、と

キラキラして目で嬉しそうに語るオッサン(失礼致しやす)でした。

 

 

これからの石垣の塩

実はコロナで飲食業からのニーズが激減してしまって

石垣島の観光客も減ってしまって

塩作りもかなりあおりを受けているそうです。

人口が激変してる訳じゃないし、

人は塩分が必要だから、景気やコロナは関係ない商売かと思ってましたが、

違うみたいです。

塩を扱っていると、

物や機械はすぐに朽ちていくのがよくわかるそうです。

物は全て幻。

これからの石垣の塩は

できるところから人の手でしたい、

アナログ化したいそうです。

 

11年前は満月の塩とか新月の塩は作ってなかっと思います。

森を守って

次世代を思って

海に潜る時が一番楽しくて

物は全て幻と言う東郷さん。

だんだんもっともっと面白い事になっていきそうですね〜。

 

これからのFUCHITEI

名古屋時代からFUCHITEIでは石垣の塩を野菜の料理に使ってきました。

カルシウムの多い石垣の塩は野菜の旨味や甘味を引き立ててくれるから。

東郷さんの大切な想いや人生に再び触れて、うちのシェフは触発された様です。

三重県に帰ってきてから

満月の塩で仕込んで熟成させたテリーヌと

新月の塩で仕込んで熟成させたテリーヌを作ってました。

石垣の塩はFUCHITEIの肉料理にどんな変化を巻き起こすのか!

試食してみたら、違いが歴然としていました。

どこがどう違うかは、内緒です。

作り手と、それを伝える私の成熟と共に

いつかそんな愉しさをお届けできると良いな。

 

本当に面白いわぁ。

本当に深いわぁ。

本当に豊かだわぁ。

それでは石垣の塩 東郷得秀さんのレポートは以上です。

 

長々とお読み下さってありがとうございました。


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